LINE CONTACT
Blogスタッフブログ
結婚式コラム

見積もりは、なぜ後から上がるのか

「契約したときは200万円だったのに、最終的な請求は410万円になりました」

SNSでこうした投稿を見かけます。500万円が750万円になった方、160万円上がった方、65名で630万円になった方。いずれも私が担当した結婚式ではありませんが、こういう声は、決して珍しいものではありません。

金額の大きさに驚かれると思います。ただ、私が気になっているのはそこではありません。上がってしまった方の多くが、自分が欲張ったからだと思っていることです。

そうではありません。

最初の見積もりは、上がることが決まっている

先に結論を書きます。

契約のときにお渡しする見積もりは、そもそも一番安い状態で組まれています。だから、打ち合わせが進んで中身を選び始めた瞬間に上がっていきます。選び方が下手だったわけでも、贅沢をしたわけでもありません。

なぜそうなっているのか。ここからが本題です。

なぜ、最初の見積もりは安く出るのか

福岡は、式場の数がとても多い地域です。その一方で、結婚式を挙げる方の数は減っています。会場同士が、新郎新婦を取り合っている状態です。

ブライダルフェアや会場見学に行くと、最後に見積もりが出て終わります。ここで「持ち帰って検討します」と言って帰られた方が、もう一度その会場に戻ってくる可能性は、かなり低くなります。会場側もそれをよく知っています。

ですから、検討させない。持ち帰らせない。その場で決めていただく。即決していただくことが目標になります。

では、その場で決めていただくために何をするか。館内の雰囲気やスタッフの印象もありますが、いちばん確実に効くのは金額です。特典をたくさんつけて、割引を重ねて、安い見積もりを出す。安ければ「ここに決めてもいいかな」と思えます。

これが、今のブライダル業界の現状です。

すべての会場がそうだとは言いませんが、これまでの経験の中で、そういう会場のほうが圧倒的に多いと感じています。

「安い」の正体

ここで一つ、押さえておいていただきたいことがあります。

安く出すというのは、安いものだけを入れる、ということです。

料理も、装花も、衣装も、いちばん下のランクで組んであります。多くの方にとって結婚式は初めてなので、見積書に並んだ項目を見ても、それがどのランクのものなのかまでは分かりません。金額だけが目に入ります。

そして打ち合わせが始まり、実物を見て、選び始める。その時点で金額は上がります。上がるのではなく、元に戻っているだけとも言えます。

上がるのは、一部の項目だけではありません

見積もり全体が一番安い状態で組まれているので、上がるのは一部ではありません。選ぶものは、ひととおり上がっていきます。

その中でも金額の動きが大きいのが、衣装、料理、装花です。

衣装

並んだウェディングドレス

ドレスもタキシードも、見積もりには一番下のランクが入っています。

最初の見積もりに入っているドレスは、だいたい20万円から30万円のものだと思います。その金額なら、と安心して契約します。

ところが衣装合わせに行くと、「プランに入っているドレスはこちらです」と案内されて、ラックに3着。この中から選んでください、と言われることがあります。嘘のような話ですが、本当にあります。

すぐ横のラックには、かわいいドレスが掛かっています。そちらは追加で30万円。それが当たり前の顔で出てきます。

試着に行って、気に入った1着が上のランクだった。というのは、よくある話ではなく、ほぼ全員が通る道です。最初の見積もりから何百万と動く、その大きな一つがここです。

料理 — 人数分の掛け算

披露宴のコース料理とテーブルセッティング

金額の動き方がいちばん分かりやすいのがここです。理由は単純で、ゲストの人数が掛かるからです。

料理を1ランク上げると、1人あたり3,000円から。仮に70名の披露宴で1人3,000円上げると、それだけで21万円です。それにサービス料と消費税。引出物も同じで、1個あたりの差額に人数が掛かります。

みんなに配るものは、すべて人数分の掛け算になる。1人あたりの差額は小さく見えても、最後に出てくる数字はまったく別のものになります。

装花

白い花で装飾されたメインテーブル

メインテーブル、ゲストテーブル、装飾。ここも一番下のランクが入っています。

装花が分かりにくいのは、見積書の金額を見ても、花の量が想像できないことです。打ち合わせに入って、実際のボリュームと金額が出てきて、そこで初めて分かります。

そして、情報サイトやブライダルフェアで見る装花は、とてもお金をかけたものです。初期見積もりに入っている内容の、倍以上あります。あの写真のつもりで打ち合わせに行くと、金額はその分だけ動きます。


なお、金額が上がる要因には持ち込み料もあります。ドレスやカメラマンをご自分で手配すると、1着10万円といった料金がかかる会場があります。これは見積もりの段階では見えにくい項目なので、別の記事に詳しく書きました。

本当の問題は、金額が上がることではありません

ここまで読んで、「結局は上がるものなんだな」と思われたかもしれません。半分はそのとおりです。私も、業界のこのやり方がすぐに変わるとは思っていません。

ただ、私が本当におかしいと思っているのは、そこではありません。

結婚式の見積もりには、着地がありません。「これ以上は上がりません」という線が、どこにも引かれていない。見始めるとキリがない。気がつくと200万円上がっている。

予算を決めて、その中で選んでいく。ほかの買い物なら当たり前にできることが、結婚式ではできないようになっています。金額が上がること自体より、着地が見えないまま進むことのほうが問題です。そしてそれは、新郎新婦の側の問題ではなく、会場側の都合でそうなっています。

最初に見た金額と、最後に払う金額が違う。その前提のまま、一度きりの結婚式を決めてしまっていいのか。私は、そこで一度立ち止まっていただきたいと思っています。

これから会場を決める方へ

見学に行って見積もりが出たら、その場で一つだけ聞いてみてください。

「この見積もりは、最終的にいくらまで上がりますか」

金額そのものより、この質問にどう答えるかを見てください。きちんと答えてくれる会場は、その後の打ち合わせでも同じように話をしてくれます。

私たちの場合

THE HIVEの見積もりは、安さで選んでいただくためのものではありません。

最初からある程度のクオリティのものを入れているので、一番安い状態から始まる見積もりに比べると、最初の数字は高く見えるかもしれません。その代わり、後から大きく動きません。最初にお見せした金額のまま、当日を迎えていただけます。

見積もりの見方について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。