持ち込み料は、なぜかかるのか
一生に一度のことなのに、選べないことが多すぎる。
このドレスは着られない。このカメラマンは呼べない。この花は入れられない。打ち合わせでは、こういう場面が何度も出てきます。
私はずっと、これを不思議に思っていました。一生に一度の日なのに、どうして自由度がこんなに低いんだろう、と。
理由を探していくと、「持ち込み料」という仕組みに行き着きます。
持ち込み料とは
会場が用意したもの以外を使うときに、会場へ払うお金のことです。福岡で私が実際に見ている金額です。
| ドレス | 1着 5〜10万円 |
| タキシード | 1着 3〜5万円 |
| カメラマン | 5万円〜、または持ち込み不可 |
| ヘアメイク | 5万円〜、または持ち込み不可 |
| 映像 | 5万円〜、または持ち込み不可 |
| 会場装花 | 持ち込み不可 |
| 引出物 | 1個 500円 |
| 引菓子 | 1個 300円 |
| ペーパーアイテム | 無料 |
全国の相場として出回っている数字より、福岡は高めです。そして目につくのは「不可」のほうだと思います。お金を払っても通らないものがある、ということです。
「持ち込み料はかかりません」と言われたら
持ち込み料が無い会場もあります。ただ、その分が会場費に入っていることがあります。
会場費が最初から高く設定されていて、持ち込みをするかどうかにかかわらず、その金額を払う。表向きは会場費ですが、中身は持ち込み料をあらかじめ含んだ見積もりです。
ですから「持ち込み料が無い」だけでは、まだ何も分かりません。持ち込み料の欄だけを見ないで、会場費と合わせた総額で比べてください。
なぜかかるのか
三つあります。どれか一つが本当の理由ということではなく、全部が絡んでいます。
一つ目は、手数料です。会場には提携している業者があって、そこを通せば会場に手数料が入ります。持ち込まれるとそれが入らないので、その分を新郎新婦から受け取ることになります。
二つ目は、手間と責任です。初めて入る業者とは、毎回念入りの打ち合わせが要ります。
結婚式の当日は、分単位で流れが決まっています。そこに流れを知らない人が入って、「ここで一度止めてください」「これを撮りたいので集まってもらえますか」と当日に言い出すと、後ろが全部ずれます。料理の出るタイミングも、次の予定も動く。一つのイレギュラーで、その日の進行が崩れることがあります。
当日に何かあれば、皺寄せは会場に来る。勝手を知らない相手を入れたくない、というのは分かる話です。
三つ目、そしておそらく一番大きいのが、自社のブランドです。会場は結婚式を自分の商品として売っています。持ち込みは、その商品の中身を外から触られることになる。崩されたくない、ということだと思います。
ここまでは、会場の理屈として筋が通っています。
私が引っかかっているのは、金額のほうです
ドレス1着で10万円。これは高すぎます。足元を見た金額だと思っています。
そして、初めて結婚式をする人に、見積もりの中身が分かるわけがありません。何にいくらかかるのが妥当なのか、比べる相手がいないからです。会場は説明しているはずです。それでも、よく分からないまま契約に進んでしまう。
契約書にサインをした後は、何かあっても泣き寝入りになります。
(見積もりそのものが後から上がっていく話は、別の記事に書きました)
会場が悪い、という話ではありません。このやり方が昔から変わっていない、というだけのことだと思います。昔はこれでよかったんでしょう。ただ、時代には合わなくなっている。
契約の前に、持ち込みの話を出しておく
持ち込み料は会場のルールなので、私が入れば消える、というものではありません。
私がやっているのは、契約より前にこの話を全部出しておくことです。提携している会場とは、持ち込みについて事前に話をしています。会場ごとに条件は違いますが、了承をもらった上でご紹介しています。提携外の会場でも、交渉して通ることはあります。
ただ、通らないこともある。だから契約の前に「この会場はこうです」と説明した上で、選んでいただくようにしています。
決めた後に知るのと、決める前に知るのとでは、話がまったく違うからです。